世界と比較した女性の働き方

階段を昇る女性
女性の社会進出が叫ばれ続ける昨今、近頃は世の中で活躍されている女性の姿を目にする機会も増えてきました。企業の男女比率では半々、または女性の方が多いという職場も珍しくありません。
しかし、女性が社会に出て働きやすい環境が整っていっても、日本では家事や育児は女性がやるものといった意識がまだまだ根強く、女性の仕事と生活のバランスがとれているかというと、まだまだ課題が山積みです。
それでは、世界ではどうでしょうか。日本とは違った土地・環境では、女性の活躍の仕方・ワークライフバランスも変わってきます。世界と日本を比較して、日本人女性の働き方について今一度考えてみようと思います。

管理職

日本企業の管理職は、重要なポジションはまだまだ男性が多いです。対して世界では重要な役職に関しても女性の進出が進んでいると言われています。ヨーロッパでは労働の権利に対する意識が社会的に高く、労働に関する男女平等化がとても重視されている点が日本と異なっています。
特にベルギーでは、高い能力を要求される仕事を任せられる女性が多く存在しています。日本でも専門職であれば女性が上位のポジションにつくことはありますが、一般的にはまだまだ男性に任されている会社の方が多いです。

賃金

日本では、平均収入で男女を比較してみると女性は男性の収入の約半分という調査結果が出ています。女性の平均収入が低くなってしまう直接的な理由としては、非正規雇用が多くなってしまっていることが挙げられます。
なぜ女性に非正規雇用が多いかというと、もともと正社員だった女性社員も結婚や出産を機に退職せざるを得なくなり、育児が落ちついても元のポジションに戻るのが難しいため、非正規雇用で働かざるを得ないからです。結婚・出産を経てもハンデを負わず復帰できる環境が整っていないのが、日本社会の課題といえますね。
対してヨーロッパでは出産休暇はもちろん、1年の育児休暇が制度として設けられているなど、女性のライフイベントと働き方、両立できる環境が整っています。

日本企業の現状と課題

日本でも出産・育児に関する保証やサポートを行っている企業はたくさんありますし、最近ではむしろ多数派といえるかもしれません。しかし、それでも会社を辞めざるを得ない女性がまだまだいるのは、日本特有の働き方に課題があるといえます。
日本企業では正社員になると残業が多く、労働時間が長くなる傾向にあります。非正規雇用に比べて待遇が厚くなる半面、仕事にかけなければいけない時間の割合が増えるため、仕事と育児の両立が難しくなるというのが現実です。
この点、ドイツを例に挙げて改善策を考えてみます。ドイツでは原則残業をしません。むしろ遅くまで残っていると評価を下げられてしまうこともあり、残業に対してシビアに見ています。残業をしなければならないのは仕事量が多いのか、本人の能力が足りていないのか、といった合理的な判断をしているのが特徴的です。またこの合理的な考え方が根付いていることによって、女性のポジションや活躍、ワークライフバランスの改善が進んでいるのだとも言われています。